サトシ:……
シゲオ:目が覚めたようやな。
サトシ:…ここはどこや?
シゲオ:フフ、気になるか?
ここはスターライトエンジェルズヘブンの秘密基地や。
サトシ:!
まさか本当にそんなもんがあったとはな。
シゲオ:そうや。そして今日からここは君のものになるんやで。
サトシ:?
どういうことや?
シゲオ:フフ、いずれわかる。
この基地は既にヘルダークに発見されていてな。ちょうど今機動部隊が向かっているところや。
君はスターライトエンジェルズヘブンのボス、世紀末ハートプリンセスこと「ラッキーぽにぽにまんじゅう丸」として逮捕されるんや。
サトシ:え? 最後の方もっかいゆっくり言ってくれへん?
世紀末なんとかの辺りから。
シゲオ:世紀末覇者ナイスパーティーことキラキラショートケーキおかわりフリーダムや。
サトシ:いや全然違うやん。言い間違いの範疇遥かに超えてるで。唯一あってる世紀末もある意味間違ってるしな。
なんでもええんかい。
シゲオ:…だが簡単に捕まってもらっても困るんや。
世紀末覇者としてド派手に暴れてもらわんとな。
そのスキに我々は海外に高跳びっちゅうわけや。
サトシ:そんなこと誰がするかいな。捕まったとしても金にものを言わせて最強の弁護士軍団を雇ったるわい。
シゲオ:フフ、そううまくいくかな?
サトシ:どういうことや?
シゲオ:君が眠っている間に体に少し細工をさせてもらった。
サトシ:なんやて? 一体どこが変わったっちゅうねん。
シゲオ:これがなんだかわかるか?
サトシ:? ただのテレビのリモコンちゃうんか?
シゲオ:フフ、(ポチっ)
サトシ:!? か、体が勝手に動いて…!(ギュイーン!! ドガァ!!!)
壁を一撃でふっ飛ばしてしまった……
シゲオ:さらにこのボタンで…(ポチっ)
(ブオー!!!!)
サトシ:!!!今度は足からジェットが…!!
と、飛んでる!?
シゲオ:そして極めつけは…(ポチッ)
ドガガガ!!(機関銃の音)
サトシ:うわああああ!!!!
……?
撃たれたのになんともない……
シゲオ:全身を防弾素材で覆っている。機関銃程度の攻撃では傷一つ付かんで。
サトシ:これがオレ………全身に力がみなぎってくる…
なんだか清々しい気分ですらある…
シゲオ:気がついたか、頭ン中もちょっといじらせてもらってな。
常にちょっとだけハイになってる状態や。
銀のエンゼルが当たった時とほぼ同じくらいの悦状態に設定されている。
そして君の行動はこのリモコンで強制することができるんや。
サトシ:なんてことを………
シゲオ:しかし幾分燃費が悪くてな。今までどおり普通に食事をしただけではエネルギーが足らんのや。
サトシ:なんだと? では一体どうすればいいんだ?
シゲオ:これや。
サトシ:!!!
シゲオ:そう、化学発光体「アポロライト」や。
これを充填してエネルギーを補充する。
胸に光っているのがそうや。その光り方だとあと1時間程度でエネルギー切れになる。
サトシ:なんだと!? 追加のアポロライトをよこせ!!
シゲオ:フフ、タダでは無理や。 交換条件といこうやないか。
サトシ:!!まさか…
シゲオ:そうや、もう少しでやってくるヘルダークの機動部隊を一掃してもらおうやないか。
サトシ:クッ! なんて卑劣な…!!
ファンファンファン…(サイレンの音)
シゲオ:早速おでましのようやな。
ヘルダーク(ポリスメン):スターライトエンジェルズヘブンに告ぐ!
居るのはわかっている!
無駄な抵抗はやめて今すぐ投降しろ!
サトシ:…一体どうすれば……
シゲオ:どうもこうも選択肢は一つやで(ポチッ)
ギュオーーーン!! ゴゴゴ!!
サトシ:か、体が勝手に…!
やめろ! やめてくれ!!
シゲオ:じゃあ後は任せたで。
ヘルダーク(ポリス):うわあああああ!!!
ドガガガガ!!
ヘルダーク(ポリス):うぎゃあああ!!
ドゴーーーン!!
ヘルダーク(ポリス):ぎゃーーーー!!!
サトシ:ハアハア…
ヘルダーク(ポリス):………
サトシ:なんてことだ… みんな死んでる……
シゲオ!! どこだ!? どこに行った!!
クッ、エネルギーがもう無い…
アポロライトはどこに……
!
あの金庫が怪しい…
バキバキ!(金庫をこじ開ける音)
サトシ:やっぱりあった…でも一本だけ…
これじゃすぐにエネルギー切れだ……
ん?
この紙切れは……
サトシへ、
この手紙を読んでいるということは
お前はもう既に身体を改造されて
人造人間「スイートエンジェルキッス」としての新たな人生を
歩みはじめたということやな。
本題に入ろう。
エネルギー源であるアポロライトは世界各地に散らばっている。
お前は生き延びるためにアポロライトを補充しながら世界中で
ヘルダークと戦い続けるんや。
我々スターライトエンジェルズヘブンは長きにわたるヘルダークとの抗争に終止符を打つべく最終決戦の準備を進めている。
しかし隠れながらではなかなか事が進まなくてな。
お前が世界中で暴れてくれれば丁度良い目くらましになるっちゅうわけや。
実はアポロライトには様々な特質があってな。
発動時の色でその特質がわかるようになっている。
例えば赤は「プリンセスファイヤー」。
文字通り炎を操ることのできるアポロライトや。
他にも色々あるが、それは自分で試してみた方がおもろいやろ。
あと重要なことが一つ。
無敵に思えるスイートエンジェルキッスだが、
実は弱点がいくつもある。
これは人造人間化にあたり技術的にどうしても避けられなかったものやけど、
思いもよらないことが弱点になっていたりするから気をつけるんやな。
では健闘を祈る。
サトシ:クソ!なんてことや。
しかし今は言われたとおりアポロライトを探し続けるしか無い!
ファンファンファン…(サイレンの音)
サトシ:!!
支援部隊がもう……
ここはひとまず逃げるしか…
シゲオ、この借りはいつか返させてもらうで!!
シュバッ!(サトシが飛び立つ音)
この記事を書いた人
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あまりの方向音痴で高校の帰り道にうっかり遭難し、自宅に救援を求めた過去を持つが、携帯ナビの技術的進歩により近年では道に迷うことがなくなった(グーグルありがとう)。
電車の乗り方がイマイチよくわからず、JRはJR線という電車だと思っていた為、山手線にたどり着くことが出来なかったのは遠い昔の話だ。
名古屋出身。
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