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光太郎くんとペンライト

ぼくがアポロライトに出会ったのは15年前、小学校4年生のころ
ポールモール変動と磁気ゴロワーズ定数の移行期間の関係性をマルボロ関数によって解明する際の
パーラメントの定理の矛盾に関する論文に行き詰まっていたとき、
たまたま息抜きに寄った公園にいた初老の男性が持っていたアポロライトを見たのがその始まり。

初老は公園のすみのベンチにスーツすがたで腰掛けて
ただただぼーっとしていたんだ。
たまにくたびれたPUレザーバンドの安物の腕時計で時間を見る以外は
ただそこに存在すること以上の意味を持たない置物のようだった。

ぼくははじめその初老のおじさんには全く興味が無かったんだけど、
ふとおじさんがスーツのポケットから取り出した半透明の棒状のものを
地面に叩きつけた瞬間
ぼくの目はおじさんに釘付けになったんだ。

おじさんが叩きつけた棒のようなものは
一瞬にしてあたりを明るく照らしたのさ!

さっきまで価値のないくだらない置物同然だったおじさんのドヤ顔を照らす光る棒は
これまで見たどんなものにも形容できない不思議な光を放っていて、
ぼくは一瞬でその光の虜になった。

ぼくはおじさんに近づいてこう言った
「それなんぼや
なんぼすんねん
それワイがこうたるさかい
今すぐよこしたりぃな」

するとおじさんは
「&!’&%)(!’)’#’)!)!!!!」
って言ったんだ!

ぼくが
「なんぼなんでもそげな条件のめるかいな
なんか他の方法があるやろ?」
と言うと、

おじさんは
「&!%’%#&(!(‘#!((#'”!!”$%$!”!!!!!!」
と言って激昂し、公園の脇に駐めてあった円盤型の銀色の乗り物に乗って行ってしまった。

そんなことを言われたものだからぼくはその光る棒が
余計にほしくてほしくてたまらなくなってしまった。

しかしおじさんの言う
地球::・・3・@6:3@の植民地:@・::と
全’&($())=0$#$命を)0″(“0)’0#)ことや
血#$#)=%#`=とか
=”00$”(‘の!)0’$)”0)$なんてとても許されることじゃない…

そもそも'”&($!#’)が(!&$’!(“&な時点で
!)’-10なんだから!~0)”‘!%は!)&’$!#&&’じゃないか!

でもほしい、ほしくてほしくてほしくてほしくてどうしようもない
ほしいほしいほしいほしいほしいほしいほしいほしいほしいほしい
ほしいほしいほしいほしいほしいほしいほしいほしいほしいほしい
ほしいほしいほしいほしいほしいほしいほしいほしいほしいほしい!!!!!

それがぼくが最初に手に入れたアポロライトだった。
大切なおじさんのアポロライト。
久しぶりに手にとってみる
もう光を失ったアポロライト。
表面に少し血がこびりついている
青白いおじさんの血。
洗っても落ちなかったそれを除けば新品みたいに美しい。
表面はツルツルしていて気持ちがよくて
見たこともない乳白色のケースの中に液状の発光体が封入されている。
一体何でできているのだろう、中身が透けて見えるからガラスのようでもあるけど
ガラスよりも軽くて柔らかい。
蓋もないのにどうやって液体を中に入れたんだろう?

今にも光りだしそうなライトを眺めていると、
すっとライトに引き込まれそうになってくる。
でもそれがなんとも心地よくて
ぼくはライトを眺め続けた。
いつまでもいつまでも

この記事を書いた人

koji
あまりの方向音痴で高校の帰り道にうっかり遭難し、自宅に救援を求めた過去を持つが、携帯ナビの技術的進歩により近年では道に迷うことがなくなった(グーグルありがとう)。
電車の乗り方がイマイチよくわからず、JRはJR線という電車だと思っていた為、山手線にたどり着くことが出来なかったのは遠い昔の話だ。
名古屋出身。